はじめに
CL7にS2000用のビッグローターを流用していたんですが、投入直後の袖ヶ浦フォレストウェイで4周ほど走ったらあっけなくフェード。
その時は「パッドの選択が悪かったのかな?」と自分に言い聞かせ、パッドをCCRgに変更して富士スピードウェイ(FSW)を走ってみたものの、やっぱりメインストレートエンドのブレーキングでタッチが悪化。これは許容出来ない。
ローター径自体は純正の300mmから330mmに拡大しているものの、厚みが28mmから25mmへダウンしていることがどうしても気になり始めました。やっぱりローターの熱容量(厚み)が足りないのかな?
ブレーキ強化の定番KB1キャリパー
仕様変更を検討するためCL7の定番キャリパー流用メニューを再検証してみる
CL7のブレーキ強化といえば、定番なのはKB1キャリパーを使う以下の2パターンです。
GLOBAL製:RX45ローター(328mm×28mm)+ KB1レジェンドキャリパー
HTRD製:たぶんHY51用ローター(320mm×28mm)+ KB1レジェンドキャリパー
ただ、個人的にはどちらも物足りない点が。
GLOBAL: 逆ベンチのローターがカッコよく328と言うデカさも良いが、ハブ径が56mm(CL7は64mm)のため、ローター側の加工が必須。長く乗る事を考えると補修ローターの手配に不安が残るうえ、ローター単体で10kg近くあって重い。
HRTD: キャリパーサポートが7000系のアルミによる軽量仕様で強度とのバランスを攻めた設計。ハブ径68mmなのでハブリングを使えば補修ローターの入手性は抜群。ただローター径が320mmと少し小さめなのが惜しい。折角サポートが軽いのにローターは10kg近い。
参考情報:
- RX45用328×28ブレンボ製純正相当09.0499.11 重量9.5kg
- HY51用320×28ブレンボ製純正相当09.B266.10 重量9.8kg
- AP1用330×25 Projectμ SCR-Pro 重量7.4kg(実測)
- CL7用300×28ブレンボ製純正相当09.8840.10 重量8.1kg
アルミ製キャリパーによる軽量化効果いかすため軽量な2ピースローターを使いたいところ。
そこで、ハット高さが近く使えそうな2ピースローターを探索した結果、Z33ブレンボ用の324mm×30mmが社外の2ピースがあり使えることが判明しました。
Projectμ SCR-Pro 324×30 重量7.4kg(実測)
海外には「KB1キャリパー×Z33ブレンボローター」のキットも存在します。KB1純正ローターは28mm厚ですが、ピストンシムを抜けば30mm厚でも収まる計算です。
「GRヤリス純正キャリパー」という新たな選択肢
とりあえずKB1キャリパーを手に入れたものの、同じアドヴィックス(ADVICS)製の最新純正キャリパーも気になり始めました。
国産車でラジアルマウント採用の純正キャリパーといえば、セルシオ、レジェンド(KB1)、R35 GTR、そしてGRヤリスです。
GRヤリスのキャリパーはKB1と同じADVICS製ですが、作りが違ってモノブロックです。軽量で新品の価格も割と安価。そのため他車種流用キットが多数売られています。
GRヤリスのフロント用には2種類あります。
1. RZ Performance(18インチ仕様): 356mm×28mmローター
2. RC等(16インチ仕様/ダート競技向け): 約316mmローター
この2つはキャリパーサポートの変更だけで対応しているため、キャリパー本体のスペック的にはKB1と同等でCL7にも使えそうです。「キャリパーサポートさえ自作すればいけるな」と思い、ヤフオクを監視して18インチ仕様の状態が良いものを格安でGETしました。
採寸して気づいた衝撃の事実(まさかのボルトオン?)
CL7用のブラケットを設計するためにGRヤリスのキャリパーを採寸してみたところ、信じられない発見がありました。
ナックル取付部の固定ボルトピッチが、CL7と完全に同じっぽい……!
固定ボルトもM12×P1.25(長さ違い)です。
試しに18インチ用のサポートのままCL7のナックルへ仮組みしてみると、CL7的には「約400mmローター用」の豪快な位置になりました(笑)。
試しに入手していたHY51(320mm)と合わせると、パッド端とローター外径の差は約24.6mm。
ハブ面方向のオフセット寸法を見ると、ローター中心に対してキャリパー中心が1mmほどズレているものの、ローター自体はキャリパー内に収まり、新品パッドが入る隙間も十分ありそう。
今回狙っているZ33ブレンボ用ローター(324mm)はオフセットが1mm違うため、ローターとキャリパーの中心が合ってくれそうな予感がします。
「これ、ワンオフブラケットを作らなくても、GRヤリスの16インチ用純正サポートを使えばポン付けできるんじゃ…?」
早速16インチ用のキャリパーサポート(47751-52020)を調達して18インチ仕様と比較したところ、ハブ方向のオフセットは全く同じで、純粋にローター径の違いだけに合わせた設計でした。これは行ける!
18インチ仕様との寸法差から逆算すると、16インチ用の適合ローター径は316mm程度。
今回使用するZ33ブレンボ用ローター(324mm)に合わせるため、サポートとキャリパーの間に3〜5mmのスペーサーを挟めば合いそうです。
5mmのスペーサーを入れてもキャリパー固定ボルトのねじ込み代は15mm確保できるため、ボルトもGRヤリス純正をそのまま使えます。
必要パーツ一覧
私は18インチ仕様の中古キャリパーを使ったが、同じ仕様を再現するなら下記パーツを買えばOKと思われる。部品番号間違いがあったらごめんw
価格は2026年現在調べ。20万越えか💦 2ピースにこだわらなければdixcelのPDローターなら3万円ほど。パッドも選択次第で1.5万円程度におさえれる。1番の問題はハブリング。これは外注ではなく手作りできるか今後検討するかも。
スペーサー: WM3012-5(5mm厚) ×4 (1065円)
ハブリング(ワンオフ): 内径64mm – 外径68mm ×2 (1.5万円)
ローター: Projectμ SCR-Pro(Z33ブレンボ用 324mm×30mm 2ピース)(88493円)
キャリパー: GRヤリス RC用純正キャリパー(部品番号はたぶんR:4773052360,L:4775052410) (RL合計約8万円)
フィッティングキット: 04947-52080(約3000円) 左右セット品なので一つ買えばOK。パッド固定に必要。
ブレーキパッド: EP558-CCRg(約2万円)サーキットスペックのお気に入りパッド
取り付け作業と注意点
下準備&ローター装着
純正キャリパーを外す前に、ブレーキホースのバンジョーボルトを一度緩め、フルードが漏れない程度に軽く締め直しておきます。これをしとかないと、ナックルから外したキャリパーのバンジョーボルトを緩める時に緩まず大変になります。
純正キャリパーとローターを取り外し、ハブリングをセット。Projectμ SCR-Pro(324mm×30mm)を装着します。
キャリパーサポートはCL7純正ボルトで仮留め。少しボルト長が足りませんが、ここは許容して進めます。
キャリパー&パッドの組み込み
サポートとキャリパーの間に5mmスペーサー(WM3012-5)を挟み込んでキャリパーを取り付けます。
パッドをセットします。CL7純正の片押しキャリパーのパッドに比べると、対向ピストン用なのもありパッド自体はやや薄めです。レーシングキャリパーのようなぶ厚いパッドではないため、耐ペーパーロック性能という意味ではそこまで高くはないかもしれません。
なお、ローター厚がGRヤリス純正(28mm)に対して今回は30mmを使用しているため、パッドのバックプレート裏のシムはオミットしました。
ローター外径に対して少しパッドがはみ出しているようにも見えますが、許容範囲内でしょう。スペーサーは3mmでも良いかもしれません。
バンジョーボルトの検証
GRヤリスキャリパーからバンジョーボルトを外し、CL7純正ボルトと比較。明らかにGRヤリス純正の方が短いです。
ブレーキホース側を確認すると、GRヤリスの方がCL7のホースよりバンジョー部分が薄いため短くなっています。
CL7純正ボルトをGRヤリスキャリパーに手で締め込み、底付きした時点での出幅を確認すると約8.8mm。
対してホース側の厚みは10.1mm、パッキン2枚で3mm。
8.8-(10.1+3)=-4.3mm
計算上、底付きせずにしっかり締め込めるため、バンジョーボルトはCL7純正のままでOKと判断しました。
配管と締め付けトルク
ブレーキホースを取り付けます。ホースの長さもCL7純正のままで丁度良い感じ。
ただし、ホース側の回り止めの構造がCL7と異なるため、バンジョーボルトを締め込む際にホースが一緒に回らないよう注意して作業します。
GRヤリスのバンジョーボルト規定トルクは39.2N・mのようですが、アルミキャリパーゆえに「ねじ山を舐めた」という情報も見かけたため、安全を取ってCL7純正キャリパーと同じ34N・mで締め付けました。
フルードの全量交換とエア抜きを実施。
最後に各部を本締めします。
キャリパーサポート × ナックル固定ボルト(CL7純正 10.9強度): 108N・m
キャリパー本体固定ボルト(GRヤリス純正 11強度): 100N・m
インプレッション:これぞ求めていたブレーキタッチ!
近所を軽く試走してみましたが……ブレーキタッチが最高すぎます!!
片押しキャリパーとは明らかに異なり、ペダルを踏み始めた瞬間から減速が立ち上がる立ち上がりの早さ。そして踏力に対してリニアに反応してくれます。
Z32に乗っていた時に組んでいたF50ブレンボや、FL5シビック Type Rで感じた「あのカチッとしたフィーリング」そのものです。まさにCL7に欲しかったのはこのペダルフィールでした。
ちなみに今回のブレーキ交換による軽量化純正比較は概算総計5.8kgと意外に大きな数値となりました。
キャリパー+サポート: 5.4 – 3.2 = 2.2kg
ローター: 8.1 – 7.4 = 0.7kg
総計: (2.2 + 0.7) × 2 = 5.8kg
あとはサーキットへ持ち込んで、本題である連続周回でタッチや効きがどう変化するかを検証してみたいと思います!
補足:拡張性
軽量化
GRヤリスの純正サポートは1kg近い重量がある。更なる軽量化をしたいならクスコのアルミ製キャリパーサポートがあるので、これを流用することも可能と思われる。クロモリでワンオフしたKB1キャリパーサポートが750gだったので、HRTDのアルミサポートは300g切るかもしれない。なお、キャリパー重量は以下。
- KB1(サポート無し)3.2kg
- GRヤリス(サポート無し)2.2kg
- CL7純正(ASSY)5.4kg
耐フェード性能向上
Z33ブレンボ用にエンドレスからレーシングローターが用意されている。ベンチレーション構造がレーシングローター同様なのでかなり性能向上が期待できる。SCR-Proで性能が不足だったらこれを使うことも検討したい。















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